2025.09.26
基礎知識を学ぶ
クレジットカードのブラックリストとは?登録される原因や解除までの期間を解説
クレジットカードの「ブラックリスト」は、支払いの延滞や債務整理などが原因で信用情報機関に金融事故が登録される状態のことです。「支払いやローンの返済が遅れるとどうなるの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ブラックリストの意味や登録される原因、確認方法、解除までの期間などを解説します。
クレジットカードの「ブラックリスト」とは?正しい意味を解説

「ブラックリスト」は、クレジットカードやローンの審査でよく耳にする言葉ですが、正式な用語ではなく俗称です。正しくは「異動情報」と呼ばれ、信用情報機関に借金の滞納や債務整理などの「金融事故情報」が登録された状態を指します。
信用情報機関とは、個人のクレジットカードやローンなどの「お金の借り入れ・返済状況」を記録・管理している機関です。クレジットカード会社やローン会社は、申込者の信用情報を確認する際に、信用情報機関に照会して返済能力があるかを判断します。
申込者の信用情報に事故情報が載っていれば、クレジットカードやローンの申し込みが通りにくくなります。そのため、わかりやすく「ブラックリストに載る=審査に通らない」という認識が一般的になっているのです。
ブラックリストに登録されるとどうなる?
ブラックリストに登録されると、金融機関から「返済能力に問題がある」と判断されるため、さまざまな制限を受けることになります。たとえば、以下のとおりです。
- クレジットカードの新規発行・更新ができなくなる
- ローンの審査に通らなくなる
- 賃貸契約への審査に通らなくなる
- スマホを分割払いで購入できなくなる
- 家族や友人の保証人になれない
クレジットカードやローンの申し込みを行う際には、「申込者に返済能力があるかどうか」を金融機関が審査します。具体的な審査基準は公表されていませんが、信用情報機関に登録されている取引履歴や事故情報などは、重要な判断材料とされているのが一般的です。
また、クレジットカードやローンの審査に申し込みした履歴も登録されるため、短期間に何度も申し込むと、「お金に困っていて返済能力に不安がある」と判断されやすくなります。いわゆる「申し込みブラック」です。
このように、ブラックリスト状態では金融取引全般が制限され、生活基盤に関わる契約にも支障が生じる恐れがあります。
ブラックリストに登録されやすい原因とは?

ブラックリストに登録されやすい原因は、主に以下の5つです。
- 支払いの長期延滞した場合
- 債務整理を行った場合
- クレジットカードが強制解約された場合
- 代位弁済が行われた場合
- 短期間での多重申込・強制解約の場合
それぞれ解説します。
1. 支払いを長期延滞した場合
クレジットカードやローンなどの支払いを長期間延滞すると、信用情報機関に「事故情報」として記録される可能性があります。一般的に、返済期限から61日以上または3カ月以上支払いが遅れた場合には、金融事故としてブラックリストに登録されてしまいます。
そのため、数日支払いが遅れた程度では、ブラックリストに登録されることはありません。しかし、一度このような延滞情報が登録されると、「契約期間中及び契約終了後5年以内」は残るため、以降のクレジットカードの申請やローンの審査において不利に働きます。
携帯電話料金の分割払いや奨学金返済なども対象になるため、支払いの遅延には十分な注意が必要です。
2. 債務整理を行った場合
債務整理とは、借金の返済が困難になった際に、借金の減額や免除などの返済条件の見直しを法律に基づいて行う手続きのことです。主な方法として、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。
債務整理に関しても、信用情報機関に「債務整理を行った」という記録がブラックリストに登録されます。ブラックリストに載る期間は5年から7年ほどで、その期間中は新たなクレジットカードの発行やローンの契約が難しくなるでしょう。
債務整理は生活再建のための正当な手段ではありますが、その代償として信用取引に大きな制限がかかることを十分に理解したうえで判断しなければなりません。特に、将来的な資金計画や生活設計に大きな影響を及ぼす可能性があるため、慎重な対応が求められます。
3. クレジットカードが強制解約された場合
クレジットカードが利用規約に違反したことなどを理由に強制解約されると、その事実は信用情報機関に記録されます。
たとえば、以下のような条件で強制解約されることが多いです。
- クレジットカード利用料金の支払い延滞
- 債務整理が行われた
- クレジットカードの現金化や虚偽の申告などの違反行為 など
こうした行為はカード会社から「返済能力や利用者としての信頼性に問題がある」と判断され、強制解約に至ります。強制解約の事実がブラックリストに載ると、他のクレジットカードやローンの申し込みをした際の審査に大きく影響します。
クレジットカードの強制解約は、あらゆるローンの審査に影響するため、日頃からきちんと支払いを行い、ルールを守って利用することが大切です。
4. 代位弁済が行われた場合
代位弁済とは、お金を借りている人が借金を返済できなくなった際に、保証会社など第三者がその返済を肩代わりすることを指します。たとえば、銀行のカードローンで返済が3ヵ月ほど遅れると、保証会社が金融機関に代位弁済を行い、その後の返済は保証会社に対して行う形となります。
代位弁済が行われると、「保証履行」や「代位弁済」という形で信用情報に記録され、いわゆるブラックリスト状態になるのです。当然、返済能力に大きな不安があると判断されるため、その後のクレジットカードやローンの審査に大きな影響を及ぼすことになります。
5. 短期間での多重申込・強制解約の場合
短期間に複数のクレジットカードやローンに申し込む行為は、「申し込みブラック」と呼ばれ、ブラックリストに登録されます。短期間に複数の申し込み履歴があると、「資金繰りに困っているのでは?」と判断され、審査に落ちる可能性が高くなるのです。
また、クレジットカードの新規申し込み・解約が続くと「キャンペーン目的での乱用ではないか」と見なされる場合もあります。多重申し込みでブラックリストに載ると、6ヶ月程度は信用情報に残ります。
そのため、安易な多重申し込みやキャンペーン狙いの契約は避け、計画的にカードやローンを活用することが大切です。万が一、審査に落ちた場合は最低でも半年以上空けてから申し込むようにしましょう。
ブラックリストの登録情報はいつまで残る?

ブラックリストに登録された情報、つまり金融事故に関する記録は、永遠に残るわけではありません。一般的には、信用情報機関ごとに5〜7年の保存期間があり、完済してからその期間が過ぎれば情報は削除されます。
ブラックリストの掲載期間は以下のとおりです。
| CIC | JICC | KSC | |
| 長期延滞 | 5年 | 5年 | 5年 |
| 強制解約 | – | 5年 | – |
| 代位弁済 | 5年 | 5年 | 5年 |
| 任意整理 | – | 5年 | – |
| 個人再生 | – | 5年 | 7年 |
| 自己破産 | 5年 | 5年 | 7年 |
これらの情報は、JICC(日本信用情報機構)、CIC(株式会社シー・アイ・シー)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)といった信用情報機関が管理しています。保存期間中は、クレジットカードや各種ローンの審査時に不利となり、新規契約ができなかったり、利用中のカードが更新されなかったりする可能性があります。
なお、基本的には借金を完済しなければブラックリストから事故情報は消えません。完済後から数えて、一定期間が経過しなければ削除されないのが一般的です。たとえば長期延滞の情報であれば、完済日から約5年が保有期間とされます。
そのため、情報の保有期間がたとえ5年であっても、借金の完済までに5年かかった場合は結果として、約10年ブラックリスト状態が続くということになるのです。
出典:
CIC(株式会社シー・アイ・シー)
JICC(日本信用情報機構)
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
信用情報機関の解除後も注意すべき「自社ブラック」とは?
自社ブラックとは、特定の金融機関やクレジットカード会社などが自社内でブラック認定することを指します。これは信用情報機関(CICやJICCなど)とは別に、企業独自の社内記録に基づいて管理されているため、信用情報が消えていても記録に残るのが特徴です。
たとえば、過去に支払いトラブルを起こしたクレジットカード会社に再度申し込んでも、信用情報上は問題がなくても審査に通らないことがあります。自社ブラックについては、半永久的に記録が残るとされているため、解除は非常に難しいといえるでしょう。
ブラックリストに登録されているかを確認する方法
自分が「ブラックリスト」に登録されているかどうかを確認するには、信用情報機関に情報開示を申し込む方法があります。開示請求手続きは、信用情報機関によって異なるため、以下の表を参考にしてください。
| 信用情報機関 | 開示方法 | 手数料 | 情報開示までにかかる時間 |
| CIC(株式会社シー・アイ・シー) | ・インターネット ・郵送 |
・インターネット:500円 ・郵送:1,500円 |
即日開示 (郵送は3週間程度) |
| JICC(株式会社日本信用情報機構) | ・スマホアプリ ・郵送 |
スマホアプリ:1,000円 郵送:1,300円 ※決済手数料は除く |
スマホアプリ:1~3日程度
郵送:申し込み完了後、5~7日程度 |
| KSC(全国銀行個人信用情報センター) | ・インターネット ・郵送 |
・インターネット:1,000円 ・郵送:1,679円もしくは1,800円 |
7日から10日 |
なお、一部の申請手段に関しては一時休止となっている場合もあるため、各公式サイトの最新情報を確認してください。
出典:
CIC(株式会社シー・アイ・シー)
JICC(日本信用情報機構)
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
ブラックリスト中でも利用できるクレジットカード以外の決済手段

クレジットカードが使えなくなるブラックリスト状態でも、日常生活の支払い手段が完全に失われるわけではありません。以下のような決済手段は、ブラックリスト状態でも利用できます。
- 家族カード
- デビットカード
- プリペイドカード
1. 家族カード
家族カードとは、本人名義のクレジットカード契約に基づき、家族が利用できる追加カードです。審査対象は基本的に本会員である親や配偶者となるため、自分がブラックリストに載っていても、家族の信用情報に問題がなければ発行できる可能性があります。
ただし、家族カードの利用履歴はすべて本会員のクレジットヒストリーに反映される点には注意が必要です。たとえば、妻が家族カードを利用して長期滞納した場合、クレジットカード会社からの督促や延滞金の発生などは本会員である夫に対して行われます。
結果として、本会員である夫がブラックリストに登録される可能性があるのです。一方で、家族カードを利用することでポイントが貯まるなどのメリットもあります。
ブラックリスト状態の人が家族カードを使いたい場合は、まず本会員に相談し、利用規約や責任範囲をよく確認したうえで慎重に活用することが大切です。
2. デビットカード
デビットカードは、銀行口座と直接連動しており、支払い時にその場で口座から代金が引き落とされるタイプのカードです。後払いであるクレジットカードとは異なり、利用者の口座残高の範囲内でのみ支払いが可能なため、使いすぎを防げます。
支払いの延滞や滞納が発生しないため、信用情報に影響を与えることもありません。そのため、ブラックリストに登録されている場合でも、問題なく発行・利用できるのが大きな利点です。利用シーンは幅広く、店舗でのショッピングやネット決済、公共料金の引き落としなどにも対応しています。
ただし、事前に口座残高を確認しておかなければ、残高不足により決済エラーが発生する恐れがあるため注意が必要です。カードによってはポイント還元などの付帯サービスもあるため、複数のデビットカードを比較検討して、自分に合った一枚を選ぶとよいでしょう。
3. プリペイドカード
プリペイドカードは、あらかじめチャージ(入金)した金額の範囲内で利用できる前払い式のカードです。チャージした金額の範囲内でしか利用できないため、後払いのクレジットカードとは異なり、支払い能力を超える買い物はできません。
ブラックリストに登録されている方でも、安心して利用できる点が大きなメリットです。コンビニやインターネットで簡単に購入・チャージできるものもあり、クレジットカードと同じように店舗やオンラインでの支払いが行えます。
ただし、カードによってはチャージ時や利用時に手数料が発生する場合があるため、コスト面のチェックは欠かせません。また、有効期限が設けられているケースもあり、期限切れによってチャージ残高が失効する可能性がある点にも注意が必要です。
お金を借りるなら消費者金融のプランネル
お金を借りるなら、消費者金融のプランネルがおすすめです。年齢制限が85歳までと非常に幅広く、高齢者や年金受給者でも申し込み対象となっています。
年金でも安定した収入があれば審査の対象となるため、他社で断られた方にとっては安心して利用できる選択肢です。また、返済期間は最長8年まで設定できるため、月々の支払いにゆとりを持たせたい方にも向いています。
まずは借り入れ可能かどうか、事前診断を受けてみましょう。
| 融資金額 | 10万円〜300万円 |
| 貸付利率 | 4.5%~18.0%(実質年率) |
| 対象年齢 | 20歳〜85歳 |
| 返済期間・回数 | 1年(12回)~8年(96回) ※返済途中の一括返済や1回での返済も可能です |
| 返済中の追加申込 | 可能 |
| 担保・保証人 | 不要 |
まとめ
ブラックリストとは、長期延滞や自己破産などの金融事故が信用情報機関に記録された状態のことです。信用情報機関に金融事故情報が記録されると、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなります。
ブラック状態でも家族カードやデビットカード、プリペイドカードなど、代替手段はあるので、状況に応じて検討することが大切です。ブラックリストに登録されないよう、日頃から計画的な利用と返済を意識しましょう。
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